2007.10.30

フォトジェニック

誰だか覚えていませんが、英語の中で一番好きな単語は locomotive だと言った文人(イティブだったか日本人だったかも覚えていません)がいました。
見ていい、発音していい、こんなに好きな英単語はない、と。

ボクは、
フォトジェニック(photogenic)という言葉がすきです。元の英語もカタカナ日本語も。

一般には「写真写りがいい」モデルなどのこととして使われていて、美容院の名前になったりしていますが、ボクには、もっと広義の「写真になる」、写友との会話では「絵になる」という意味です。



ずうっと不思議で、未だに答えが出ない問題がボクにあります。
それは、
街角で、あるいは、美しい大自然の中で、キャンバスを立てて絵筆をふるっている画家がいますが、何を描写しているのだろうと、覗き込んでも、フォトグラファーとしては絶対にカメラを向けないような「絵」なんです。そういえば、有名な絵画のどれほどがフォトジェニックでしょうか? ミレーの「晩鐘」か「落穂拾い」あたりなら、興奮にファインダー曇らせながらレンズ向けるでしょうが、レンブラントとかルノワールとかが描く絵の構図、ポンカメ月例なら「せっかくの被写体ですからもうひとひねりが欲しかった。平凡すぎてこれなら誰が撮っても同じ」ということで佳作でボツでしょうね。
なぜ? という問題です。

この「絵になる」という言葉は、しかしながら、どうも最近イヤになってきました。そういうフォトグラファーのこじんまりとした捉え方を拒否するパワーというかエネルギーというか存在感というかオーラというか、そういうものを発揮しながら、万物はあるのだ、ということに気付き始めたのです。大きな反省です。大きな転機かも。

フォトグラファー主導の「作品創り」よりも、被写体をして語らしめよ、ということでしょう。これは写真の原点かもしれませんが、しかし、フォトアートの自己否定かもしれません(まだそんなこと言うてる?)

土門拳をどうしても「楽しむ」ことのできなかったディレッタントとしてのボクの若い頃がありました。森山大道がわからないNKでした。

象徴的なボクの20歳代の作品を載せます。
「日本カメラ」か「フォトアート」しか相手にしなかった生意気盛りのNKでした。「アサヒカメラ」は優柔不断で、なんでもありで、なんでもなし、と無視していた(相手が無視していたって!)NKでした。

old02r800_20080202084727.jpg
Takarazuka, Osaka (1963) Nikon F, Nikkor 105mm 1:4, (f16 1/15
 
「日本カメラ」1963年7月号所載(月例第1位)
(佐藤 明 評) 作品の傾向が特異で、同じ関西の北村新一路氏と共に関西勢の一人としてがんばっているが、すごくモノクロームの世界のカラー表現に興味をもっていて、いい作品がある‥‥。どちらかというと小さい部分を追いつめて、デリケートな神経でまとめる才能がある。カラーの撮影条件のいわゆる悪い所で、かえってそれを利用して面白い効果を見せている。露出計の上での悪条件は、自分が撮りたいと思えば大きな障害となるものではないと思うのだが、その点この人の作品はいい例だと思う。

この「作品」が、最近イヤになり始めているのです。
まだ変わるエネルギーがボクにありそうで、なんだか「やる気満々」になっている最近のNKです。昔はとばし読みしていた朝カメのモノクロ組み写真の部を真っ先に開き、季刊「風景写真」をレジに忘れたまま書店を出るNKです。

わかる人にはわかる謝辞を述べます。
ブログ・メイツの○○○さん、○○○さん、あなたのおかげです。
そして、ベネチア、ありがとう。ニューヨーク、ありがとう!

(ネット一般への参照タグ) : あのころ アート

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*Comment

被写体をして語らしめよ、というお言葉に
(肯定的に)すごく考えさせられています。
scottts |  2007.10.30(火) 08:12 |  URL |  【コメント編集】

■scotttsさん

scotttsさんのような方にそう言っていただくのは、大きな支えです。いったりきたりのフォトアートの道ですが、いい道連れが何よりもうれしいものです。
NK |  2007.10.30(火) 09:11 |  URL |  【コメント編集】

>まだ変わるエネルギーがボクにありそうで、

“変わるエネルギー”、僕もずっと持ち続けたいです。
もちろん、教授の作品から、エネルギーを頂いています。
さきほど、プレイス社のサイト拝見しました。
楽しみです。
本からもエネルギーを頂くつもりです(^^)
Yoshi-A |  2007.10.30(火) 19:36 |  URL |  【コメント編集】

■Yoshi-Aさん

ありがとうございます。最初のプッシュというかモーメントを下さったのは、いうまでもなくYoshiさんです。
NK |  2007.10.30(火) 21:17 |  URL |  【コメント編集】

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